（編集部）宮崎と東京の行き来でお忙しいことと思いますが、東京のNPO事業サポートセンター
では、どのようなことをされているのですか?
ご存知のように、日本にはNPOの中間支援組織としてのナショナルセンターと呼べる組織は３つありますが、３団体とも各県に支部を置くような組織化が出来ていません。NPO事業サポートセンターはNPOを支援（サポート）するための全国的な支援組織として、これまで福祉（全国で600団体強）、環境、NGO、子ども、芸術文化分野などの団体や個人を対象に、NPO法人の設立支援やNPO法人の運営上の実務相談・サポートを行っています。近年のNPO法人の急増や、相談等の内容が多岐に渡っているため、地域の実情を掴んだ上でサポートし、必要に応じては東京からのサポートだけでは不十分なので、地域の担当理事がサポートを担当する体制をとりました。
具体的には、通信研修事業の企画委員と添削委員をしており、地方スクーリングのアドバイザーや講師もしています。また、九州各県からの中間支援組織を公設民営で行いたいなどの相談に対しての対応なども行っています。また、昨年度からは「日本型ファンドレイズについての方向性を探る」、日米共同プロジェクトの研究活動などにも参加しています。
（編集部）宮崎のNPOと県外の先進的な団体の活動と比較するとどう思われますか?
良い点、悪い点について教えてもらえませんか?
先ず押さえておかないといけないのは、相対的に言って地方のNPOと都市部のNPOも活動内容や持っている問題点に大差はないということです。それは制度や行政との関係の問題やマネージメントの問題であったりしますが、宮崎のNPOが抱えている問題はそのまま全国のNPOが抱えている問題だということです。
その中で宮崎のNPOに関して言えば、先進事例ではあるが評価の低いNPO（NPOの在り方としてまずいということが全国会議等で指摘されています）と、「子ども文化センター」のチャイルドラインの活動や「いつか会」のアンジュールの活動のように全国的に高く評価されているNPOがあり、団体数から見れば決して活発とはいえませんが、活動内容から見れば、先進事例として全国的に紹介されている団体がいくつもあるという玉石混合状態といえるでしょう。
ご質問の比較の問題ですが、先進的と言われる団体は活動分野に限らず自立しているということです。表面上行政からの委託業務が多くても、内容を見ると企画段階から参画しておりNPOの意思が事業に反映されていることがわかります。言い換えれば「政策提言能力」や「企画立案能力」などにすぐれているようです。
NPO法人は「社会変革機能」を持つ団体であると思ってますので、きちんとした経営基盤を持ち、継続的な活動が出来ることが前提であると思いますが、その際になんらかの組織に依存していると「魂を売る」（鹿児島のネイチャリング・プロジェクトの松村代表の口癖ですが・・・）ことになります。繰り返しますが経済的にも意識も「自立」していることが重要だとおもいます。
（編集部）行政の支援や理解については、どう思われますか?
宮崎県内の行政の意識は非常に低いと言わざるをえません。「協働」についてもお題目としてはあちこちで聞かれますが、現実的にはルールができていません。協働の名の下に「安価の下請け」をする業態としか認識していないように思われます。
本来「協働」は行財政改革に直結するはずだったのが、財の部分（予算がないのでこの金額でやって！という部分）だけに着目して、本来そのサービスが住民に対してどのような意味を持つのか？サービスがどのように向上するのか？などの議論がなされているようには思えません。行政職員の意識改革が強く望まれます。
（編集部）今後の宮崎県内のNPO活動に期待することは？
これからの時代を考えたときに市民自治は不可欠ですが、住民→市民への 市民側の意識改革も不可欠です。先程、行政批判をしましたが、それを許しているのも私たちだと言うことは肝に銘じないとならないと思います。権利には義務がセットですし、「○○してほしい」という前に「○○したから、ここからはあなたの仕事ですよ」と言うような提言型の要求が必要でしょう。自助努力も必要だと思います。それと、企画能力の向上が不可欠であると思います。
（編集部）どうも貴重なご意見ありがとうございました。
これからも宮崎のNPOを引っ張っていって下さい。（事務局H）
◆NPO事業サポートセンター http://www.npo-support.jp/index.php
 
ニックネームは、むーみんパパ！？
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