第3回 NPOマネジメント講座  報告
 (H17.01.30宮崎市中央公民館)

  「情報を共用しよう!」


 

 

 

NPOマネジメント講座の第3回では、とうとう涙ぐんでしまった。

 「公社改革」なんか、とっくに終わっている。
「指定管理者制度」の先を走っている三鷹市。

 そんな話をしてくれた関幸子さんは、
日経ウーマン誌が選ぶ「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2005」の
第6位にランキングされている注目株。

 政府の審議会の委員もしていて、
小泉首相に、直接、意見を言える場を持っている。
今は、株式会社「まちづくり三鷹」に出向しているが、
三鷹市役所の職員。

 自治体の職員でも、ここまでできるんだと思ったら、胸が熱くなってしまった。

 そんな関さんは、市役所も、財団法人も、株式会社も経験。
市民と企業と行政の協働の話もかなり具体的。

現場で実践してきた人の話には力がある。

 どうして市役所の職員が株式会社にいるのか。
こんな歴史があった。

                          
 三鷹市には、もともと財団法人の「まちづくり公社」があった。
ハード整備が終わって、産業振興のソフトサービスが必要になった。
でも、「まちづくり公社」の定款では、企業誘致ができない。

 定款を変更しようとしたけど、東京都は認めなかった。
財団法人を、もうひとつつくるしかない。
でも、5億円を拠出する余裕はなかった。

 三鷹市は、株式会社を選んだ。
財団法人を解散して、資本金2億8千万円の株式会社をつくった。
その3倍近い売り上げがある。

 公社時代の公益事業は、全て引き継いだ。 これは、持ち出ししてでもやりたい事業だ。
          


 株式会社だから赤字にはできない。
黒字化のシュミレーションができるまでに3年かかった。
(清武町は、3ヶ月で株式会社をつくろうとした。)

 遊休地を、全て駐車場、駐輪場にして、不動産管理を事業にした。
産業振興の企画支援事業でも稼いでいる。

 市民への説明責任を果たすため、市議会の各会派の代表4名による「助言者会議」をつくった。

 民間のノウハウを導入するため、「三鷹市経営懇話会」をつくった。
学者2名と、中小企業の経営者2名の4名で構成。
経営者は、八王子市の男性と横浜市の女性に依頼した。
中小企業を支援するノウハウは、中小企業の成功者に聞け!
という趣旨だ。

 三鷹市の職員は、指定管理者制度について、「今頃?」と感じている。
公共施設だけでなく、いろんな事業を、自己判断で、既に「民」に渡している。

 学校には、お父さんやお母さんがウロウロしている。
図書室を地域に開放して、土日も開いている。運営は市民に任せて、責任は市役所が取る。

 市役所がビジネスプランのコンテストをやる。
昨年、1位になり、賞金百万円を手にしたのは、ネットオークションによる中古家具の販売だった。

 市役所が粗大ゴミで処分すれば、手数料収入以上のコストがかかる。
市民は、手数料を払うかわりに、売り上げ代金をもらえる。
事業者には、双方から5%づつの手数料が入る。

 市のコンテストで1位になったことが、市の事業を委託する理由になる。
オンリーワン企業と行政がつき合える仕組ができる。

 こんなことができるのも、徹底した情報公開と
かなりの手間をかけた市民参加を続けてきたからだ。

 昭和48年から、コミュニティ行政を展開している。
7つのコミュニティ地区にひとつづつ拠点をつくる。
どんな拠点が必要か、コミュニティカルテづくりから始める。

 運営費は年間1億5千万円。地区の協議会が、全て決める。
市役所は、金は出すが、口は出さない。

 地区の意見がまとまったところから拠点をつくった。
7つめのコミュニティセンターは、議論が続いており、まだ、できていない。

 NPOマネジメント講座の当日、会場で、こんな質問が出た。
「どうしたら、関さんみたいな職員が出るんですか。」

 キーワードは、「情報を共用する」だった。
市役所のどこにいても、議会で市長が質問に応える姿を見れる。
活字情報ではなく、どういうトーンで答弁しているか現場の空気がわかる。
だから、職員は、市民から質問があっても、市長と同じ答えができる。

 市長レクには、担当職員を連れていく。いろいろ、横断的な組織をつくっている。
職員は、いろんな情報を持っている。

 できるヤツのところには、さらに情報が集まる。みんな、人の電話に、聞き耳を立てている。

 最近は、メールなので、やりにくくなった。
ITの時代になって、ひとりの影響力が大きくなっている。
だから、「ひとりしかいない」と思わないで、「ひとりいればできる」と考えて…

 「アツい想いを持ち続けること。具体的に行動すること。」
 3回のマネジメント講座に参加して、宮崎のNPOならではの企画に感謝して、
そんなことを考えた。


  三鷹市ホームページ

  http://www.city.mitaka.tokyo.jp/

  三鷹市まちづくり会社

    

  http://www.mitaka.ne.jp/tmo/

                               (取材:「街・元気」事務局S)

                                        



   
   
 
 
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