*このレポートは、「メディアミックスによるNPO・ボランティア広報事業」(宮崎県社会福祉協議会委託事業) の一部です。
【お話】都城市ボランティア・福祉共有おうえんセンター
大牟田さん
◆設立の経緯
 平成22年4月から、学校・地域・社会福祉施設・NPO・行政などと協働し、共に育み活動が実践できるように「都城市ボランティア・福祉共育おうえんセンター」を設置いたしました。この都城市ボランティア・福祉共育おうえんセンター設置以前の状況としては、(旧)都城市では11中学校区でそれぞれの地区でのボランティア活動を実践する組織として 「地域ボランティア」が組織され、取組みの情報交換や活動上の悩み等を共通理解する場として、昭和58年に「都城市地域ボランティア連絡協議会」が発足しました。また、地域ボランティアの代表者や専門ボランティア等が協議する中で、地域ボランティアと専門ボランティア、個人ボランティア等が意見交換や研修を行う事で連携や協働の大切さを痛感し、平成8年に「都城ボランティア協会」が発足しました。
 これまでに『ボランティアの集い』や『ボランティアまつり』を行い市民へのボランティア活動への参加や啓発活動を行ってきました。現在、当センターの登録者は99団体、個人ボランティア239名です。

◆主な活動
研修会
 
地域イベント(ひまなつり)
 
地域イベント(ひまなつり)
 
災害支援ボランティア講習

 都城市ボランティア・福祉共育おうえんセンターの活動としては、市内の団体や個人でボランティア活動をしたい人、お願いしたい人の募集、依頼、連絡調整やイベントの広報や団体のPR、また、収集活動として古切手や書き損じハガキ、ペットボトルのキャップを集める・各種支援活動に役立てています。  

(1)都城市社会福祉普及推進校連絡会への支援   
 都城市社会福祉普及推進校連絡会は、平成9年5月に小・中・高等学校における「ボランティア活動の推進」や「福祉学習」に関する支援を目的に設立しました。当センターは当初より、主に夏休み等における児童生徒のボランティア体験メニューを企画し、事業展開を図るなど同連絡会への支援を行ってきました。その後「学校週5日制」「総合的な学習の時間導入」などにより、学校における福祉教育への関心や意識が高まると「福祉体験」への講師や講師の斡旋などを実施してきました。それと同時に、各地区において、学校・地域・社会福祉施設関係者による合同会議を実施し、それぞれの地区におけるボランティア体験や福祉学習の実践について協議し、事業を実施してきました。
 また、平成21年度には市町村合併に伴い市内の小・中・高等学校全て加入した組織として再編しこれにより「新・都城市社会福祉普及推進校連絡会」が設立しました。これを機に、これまで車椅子・アイマスク・点字・手話体験などの受け身型の福祉体験学習から、先生や生徒と共に学習プログラムから作り上げ、児童生徒の「気づき・学び・振り返り」を重視した参加型で継続的な学習展開を提案し、実践しています。また、地域の社会資源を有効に活用できるように、地域と学校との有効な関係作りの支援にも努めています。  
 
(2)都城ボランティア協会との協働による災害ボランティア研修の実施
 近年、災害発生時において「災害救援ボランティア活動」の重要性が叫ばれています。
 都城市においても、災害時におけるボランティアセンター設置・運営について、社協が運営・実施することが市の防災計画にも明記されており、平時におけるボランティアの育成や支援が重要になっています。そこで、都城ボランティア協会との協働で「災害救援ボランティア」養成のための研修会や講座を開催しています。この研修を機に、災害時に自分達の日頃のボランティア活動を活かし、“災害時に自分達に何ができるのか?”“自分達が何をしなければならないのか”を理解し、共通認識のもと「いざ!」という時に行動できるための準備を進めています。


◆この活動を通じてどんな事を実現したいですか
 現在行っている福祉教育の推進をさらに深めるため、学校・地域の連携の更なる強化を図り、それぞれの地区において、住民・児童生徒が共に学びあい、育ちあう「共育」の実践ができればと思います。市内のいくつかの地区では、既にその取組みが実践できている地区もありますが、今後は市内全域で実践されるよう、まずは自分達の暮らす地区(まち)についてお互いに見つめなおす場作りを都城市ボランティア・福祉共育おうえんセンターとして行っていきたいと思います。  
 そこでの当センターの役割りとしては、「つなぐ・まとめる」といったコーディネート機能だけでなく「市民と共に」の視点での具体的な支援が求められると思います。「福祉でのまちづくり」の実現に向かって様々な方々が協働によって試行錯誤しながら実践を重ねていくこと(福祉共育)が円滑に行われるような支援体制を構築できればと思います。

◆5年後どんな活動をしていますか
 学校・地域との連携が深まるような取組みから、実際にそれぞれの地区の実情に応じた実践が出来ていると思います。あわせて、都城市ボランティア・福祉共育おうえんセンターとして学校・地域・NPO・行政など様々な方々と協働した事業実践が行われていると思います。

◆協働事業への考え、取組み、実績
 都城市ボランティア・福祉共育おうえんセンターとして取り組みたいこととして、まずは、NPO・ボランティア・行政等とのお互いの関係を再度見直し、それぞれの特徴を生かした事業展開をするためのネットワークの構築です。都城市においては、市民と行政の協働によるまちづくりの推進のため、地域住民が主体的かつ自発的に参加し、「地域のことは地域で考え、地域で解決する」ための住民自治組織「まちづくり協議会」が立ち上がりました。地域も地域住民も変わらなければならない状況の中で、地域の中ですぐに解決出来ないこと、進められないこと等も出てくるかと思われます。それらに対する助言・協力の出来るような支援体制を構築していきたいです。また、多くの市民が利用しやすい拠点としての整備・確保も重要です。地域・学校・企業・NPO等と共に福祉を考えていけたらと思います。
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