*このレポートは、「メディアミックスによるNPO・ボランティア広報事業」(宮崎県社会福祉協議会委託事業) の一部です。
【お話】吹矢de元気!協会
理事長 山元弘道さん

「せぇ〜のフッ〜」で、世代や障害を越えて広がる笑顔と心の輪

 簡単・安全・健康的で何よりもとにかく楽しくてハマってしまう「吹矢」を使って、みんなでLet‘s Enjoyレクリエーション、そして楽しくリハビリテーション!!

 なぜ吹矢なのか? それは十数年前に保健予防活動の一環としてカウンセリングをしていたのですが、心の悩みというものは、言葉だけではどうしても解きほぐすことは難しく、途中でフラッシュバックをしてしまう場面にも多々遭遇。一つの問題を解決してもなかなか全てをというわけには・・・・。結果的に心のバリアを解き解すまでには、なかなか至らなかったんです(技量の未熟さがあったのはもちろん否めませんが)。
そこで取り入れたのがレクリエーションでした。なぜかというと、人はいくら辛くても、悩んでいても楽しいときは笑うもの。その時間は辛いことや悩みを一瞬でも忘れているものだということを、高齢者とお話をしているときにふっ〜と気づかされたのです。
しかし、普通のレクリエーションだと老若男女とわずという歌い文句にもかかわらず、運動能力の低下や心身の障害のレベルなどで参加できない人が結構沢山いらしたのです。そこで高齢者も障害者も何の制限なく参加できるものはないものかと思案したあげく、全く運動ができなくても、たとえ寝たきりでも、呼吸さえしていればみんなで一緒にできる「吹矢」にようやくたどり着いたのです。
吹矢をはじめた頃は、とにかく形にとらわれず、楽しもう!とやっていましたが、回を重ねるうちに、予想もしていなかった思わぬ効果が吹矢に潜んでいたことに気づいたのです。
ひとつは、息を吐くことで新陳代謝を促進し、お腹や胸、顎、お尻の筋肉などが刺激され、想像以上にカロリーを消化するということでした。そして極めつけは失禁予防にもとても効果的だったのです。極めつけは、「何もできない」と諦めていた人が「自分もやればできるじゃない」という達成感を味わえることができるという内面的な喜びが大きいものであるということでした。

最近では、喘息や筋ジストロフィーの患者さんが、呼吸訓練は5分と続けられないのに、吹矢だと時の過ぎるのを忘れて楽しみながら訓練の代わりになるということで、呼吸リハビリとしても大いにその効果が裏づけされるようになってきました。
  やはり、人間はつらい思いをするよりは、楽しみをより好むのは当然の摂理ですね!
と、“笑い”と“ゆとり”のある生活をテーマに日々楽しんでいますよ!!と、とても楽しげに話してくれる理事長の山元 弘道さん。
 
矢を飛ばし、的を狙って当てる。単純で分かりやすく、飽きがこない「吹矢」。バシッと音を立てて矢の当たる音がまた快感でやみつきになってしまう。
  
「吹矢はあくまでも人と人をつなぐ媒体であり、場を盛り上げる道具」それがきっかけとなり「和」となることが最終目的なのです。吹矢を通じて沢山の人が集い、そしてこぼれる笑顔が見られる場所をこれからも作って行きたいです」。

吹矢de元気! が目指してきたスタンス
1.形にとらわれず、
2.とにかく楽しみ、
3.「笑み」と
4.「ゆとり」ある
5.時を享受すること!

笑っているときは苦痛を忘れる!
● きっかけは、屈託のない笑顔
・病んだ心を癒すのに言葉はいらない
・楽しければ笑う
・笑っている時は全てを忘れる
・人は辛いことより楽しい事を求める性質がある

● レクリエーションは科学だ!
・レクリエーションは人間の欲求行動に基づいている
・レクリエーションには大きな包容力が秘められている
・笑っている時は全てを忘れる
・人は辛いことより楽しい事を求める性質がある

呼吸をしていれば吹矢はだれでもできる万人スポーツ
● 呼吸ができれば誰でもOK!吹矢はユニバーサルスポーツ
・吹くだけの単純な標的競技
・子ども〜高齢者、障害者〜健常者までハンデなし!
・笑っている時は全てを忘れる
・車いすはもちろん、ベッドのうえからでも楽しめる。

餅つき会
FM宮崎スタジオにて
 
レクレーション1
 

レクレーション2

【活動事例】

1)高齢者の閉じこもり防止
● 吹矢の会
閉じこもりがちな高齢者が増えるのを防止する秘策として吹矢の会を結成。
最初→なかなか連れ出すのが困難
序盤→徐々に面白さが伝わり、参加者も増える
中盤→毎日が楽しくなり、競争意識が芽生える
終盤→他流試合を希望の参加者が続出
結果→他市町村との交流試合の開催
楽しみながら練習し、仲間同士が刺激しあい、健康増進に効果的!

2)喘息の症状軽減
● ふ〜やクラブ
喘息を持つ子供のお母さんが結成。子供が喘息で苦しんでいるのを何とかしたい!
吹矢を体験→子供の様子の変化
かかりつけの病院→参加の許可をもらう
ふ〜やクラブを結成→定期的に毎月開催
結成3年目→助成金をもらうまでに組織が成長
リハビリを嫌がる子供達が長時間遊んでくれるので、手応えが感じられる。

3)健康づくり教室
● 都城市健康課保険福祉事業「かくしゃ100歳」
健康診断で高血圧・糖尿病・講師血症と診断された対象者に運動をかねて吹矢教室を開催。(6年間開催、継続中)
● 北浦町生活習慣病予防教室(地域教室)
高齢者教室で吹矢教室を各地域で開催(4年間継続)
● 野尻町高齢者健康づくり
健康な高齢者、障害を持った高齢者病気の高齢者を対象に吹矢教室
● 南郷町社会福祉協議会
社会福祉協議会の地域の健康づくり教室で開催
その他、複数行政機関や社会福祉協議会、施設などで実施中。


4)知的障害児のレクリエーション
● 福祉共生学科(軽度の知的障害児クラス)
レクリエーションの一環として毎月開催。初めての授業から時を経るにつれ、子供達の中に変化が見られ、自主的にグループを作ったり、ゲームを組み立てたりと、積極的な関わりを持つようになる。7年間続行中。

5)サマースクール
● 宮崎東病院 2006年
喘息、肥満児を対象としたサマースクール→大人気!!
スパイロメーターで呼気変化を測定
結果→失敗
理由→継続的計測ができなかった。企画不足。
次回→綿密な計画の下に再実施中。
喘息のリハビリ、運動不足解消に期待大。

6)土曜開放事業
● 小学生対象
土曜開放事業の一環として参加。大人気種目となる。
子供達→無心に楽しむ
テレビやゲームにはない楽しさ、コミュニケーションをはかれる場を提供。

その他、イベント事業など幅広く活躍中!!
読み聞かせ
健康づくり教室1
 
事務所
健康づくり教室2
 
スクールコンサート
ふ〜やクラブ
 
ふるさと先生
サマースクール
 

〜お問い合わせ・連絡先〜

 NPO法人 吹矢de元気! 協会
 代表 山元 弘道
 住所 880-0823 宮崎市北権現町110-33
 会員数 15人
 電話 0985-32-3521
 FAX 0985-32-3520
 URL http://www.healthcare.co.jp/fukiya.html


ライターズEYE
 取材に行って一番残っているのが、とにかく面白くて明るい方だなという印象でした。
山元さんはお子さんが障害を持たれてるそうで、姿勢を保持するために使用しているものが体に合わなかったり、あまりにも夢のない物であったので、なんとか体にあった椅子や遊具を作ってあげたいと開発を重ねていらっしゃいました。吹矢の話をしてくださっている間も、大変な過去も、とにかく元気に明るく話してくださいました。
危険のないようにと開発された吹矢を私も体験してみましたが、これが面白い!!楽に、しかもしっかり吹けて、安全に改良されているのに、満足のいく当たりと手応え。「これははまりますね〜」と、かなりの時間遊んでしまいました。バリアーのないコミュニケーションを取ることができる、素敵な遊びだなと、心底関心してしまいました。単純な程、奥が深いのだな、と。
Copyright (C) 2008 有限会社サン・グロウ